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映画「ベニーズ・ビデオ」感想・レビュー:どんなものかと思って・・・

 

ベニーズ・ビデオ

ベニーズ・ビデオ

「ベニーズ・ビデオ」映画情報

あらすじ

ある日、彼は街で知り合った少女を自宅に招き入れ、衝動的に殺害してしまう。しかもその一部始終が、部屋に設置したビデオカメラに収められていた。ビデオを見た両親は、衝撃を受けながらも息子の罪を隠蔽しようとするが……。

出典:映画.com

予告編

作品データ

原題 Benny's Video
製作年 1992年
製作国 オーストリア・スイス
上映時間 105分
監督 ミヒャエル・ハネケ
脚本 ミヒャエル・ハネケ
メインキャスト アルノ・フリッシュ
アンゲラ・ビンクラー
ウルリッヒ・ミューエ
受賞歴 テッサロニキ映画祭国際批評家連盟賞


 

「ベニーズ・ビデオ」映画解説

だいふく

今回もミヒャエル・ハネケ監督の紹介だニャ!心して読んでニャ…

作品解説

オーストリアの巨匠ミヒャエル・ハネケが1992年に手がけた長編第2作の映画で、「映像の中の映像」が繰り返し登場するのが特徴の映画です。テッサロニキ国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞もしています。

 

現実で、殺人を犯した少年が、なぜ殺したかの問いかけに「どんなもんかと思って」と答えたという記事に心を躍らせたハネケ監督が、そのまま映画にしちゃいました!という悪乗り?具合な映画でもあります。

 

主人公の少年ベニー役には、「ファニーゲーム」のアルノ・フリッシュが演じ、父親役を「善き人のためのソナタ」のウルリッヒ・ミューエ、母親役を「ブリキの太鼓」のアンゲラ・ビンクラーが演じています。

実感(罪の意識)が湧かない殺人

観る人を不愉快にしてしますミヒャエル・ハネケ監督の作品ですが、今回の不愉快どころは実感が湧かない殺人とでも言いましょうか。

一人の少女を殺害してしまった少年は全く罪の意識が無し。少年の親は、殺害シーンのビデオを観ても、証拠隠滅を図る。そして、その決断をしている時に母親は笑ってしまう。父親がまさかの方法での証拠隠滅。父親が証拠隠滅中には、母と少年水入らずでの楽し気な旅行…。

 

と、少女が殺されているというのに、映像がマッチしないのです…。

これが、本作のミヒャエル・ハネケ監督の不快マジックなのでしょう。現実でもニュースを騒がす殺人事件の数々。いつしか、そういったニュースを見ても衝撃が薄れ、慣れてきつつある社会や私たち。

監督は、そういった我々の心理を見抜き警告するように描いたのが本作なのかもしれません。

監督からのメッセージ

ミヒャエル・ハネケ監督が本作について語っているので紹介します。

「 判断するのは観客だ。私は何も言いたくない。私は見つけようとしている。探しているのだ。“物語る方法”を。観客に問いを投げかけるだけで、何も言わない。 “彼はこう考えてる”とか、“こんなふうにする”とか、判断するのは観客だ。少年が警察で両親を裏切ったとき、こう言う。両親を密告したあとで、こう言うのだ。“帰ってもいいですか?”これは幼さか、あるいは臆面のない冷笑か?好きに解釈すればいい。私は答えを限定しない。“人は、なぜやったか?”。答えを出すのは、観客を安心させて、なだめるだけのこと。つまり、“母親の愛情が足りないからこうなった”とか、くだらんよ。ひとつの犯罪、あるいは事件が生れた理由は、100分で語るには、あまりにも複雑すぎる」

「ベニーズ・ビデオ」感想・レビュー

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※ネタバレしていますので注意してください。

少年の複雑な心理を捉えた作品はたくさんあるでしょうが、ここまで異常に描かれた作品は余りないでしょう。なんともあっけなく、少女を殺してしまう少年ベニー。そこには幼いころに見た家畜豚がスタンガンで殺されたシーンを見たときの興味心しかなかったのです。

ベニーズ・ビデオ

 

ベニーは、ビデオを撮るのが趣味。家畜豚が殺される瞬間を何度も繰り返し見ては興奮していたのでしょうか?そして少女を殺すのもビデオを通せば、あたかも家畜豚を殺してしまうのと同じレベルに見えてしまうから恐ろしい。彼は、両親に豚を殺すのを見せるのと同じ方法で、ビデオを見せることで罪を明かす。彼はビデオという一つの道具でしか自分を表現することが出来なかったのでしょう。

 

そしてもっと恐ろしいのはベニーの両親の反応です。息子の罪を知ったとき、先に出るのは、誰かに気付かれたのか?のような防衛反応のみ。そして選んだのは“証拠隠滅”です。それも遺体を細かく刻みトイレに流すという方法で…。

この親にして、この子だって感じましたね。でも、同じ境遇に立たされた場合、あなたは親としてどうする?っという質問をされているようにも見えました。

 

普通なら遺体を刻むシーンに目をやりそうだが、ハネケ監督は父親が証拠隠滅作業している中、旅行に行ったベニーと母親とのお気楽のんびりシーンをひたすら描き続けます。父親が血の気も引ける残酷なことをしているのを知りつつ、楽しく過ごす母と子…。こ、これはいったい何を観ているんだと思ってしまうのが当然でしょう。

ベニーズ・ビデオ

 

死体処理をした父子の会話がまた絶望的なやりとりでした。

父は聞きます、

「なぜ、あんな事したんだ?」

子は答えます、

「どんなものかと思って・・・」

父の反応は、これだけです。

「どうかって・・・何が?・・・そうか」

 

ラストも、とんでもなく意味不明です…。なぜ、ベニーは親を警察に売るような行為をしたのでしょう…?そんなことするなら、なぜ親に遺体処理を頼ったんだよ!親はどんな気持ちで、死体を砕いたと思っているんだ!といいたいところですが、ベニーはすでに親との距離が開き切ってましたね。

 

でも、このベニーの気持ちを分かる人間はそうそう居ないと思いますよ。ハネケさんひねくれすぎです!相変わらず観終わった後のどっしり感は、監督の思うつぼだなと思う次第でした。

もぅ疲れちゃった。 (*´ο`*)=3

だいふく

あたいも、疲れちゃったニャ… (*´ο`*)=3

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